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越境ECで注意すべき法律と規制(アメリカ編)

Updated: Oct 10, 2024



 
  • アメリカで越境ECを始めるにあたり注意すべき法律や規制は何か?

  • アメリカで販売を禁止/規制されている商品、知的財産権、プライバシー保護法、返品ポリシー、製品ラベル、ADAに対する対応が知りたい。

 

本記事ではこんな悩みに対して解説します。


私たちは、現在約7年間にわたり、お客様のアメリカ向け貿易、物流、ECをサポートして参りました。お客様の成功事例、失敗事例、日々の運用での経験を交え、アメリカでのECビジネスに役立つ情報を解説しています。



 

目次

1. アメリカの越境ECにおける法律と規制の重要性

2. アメリカで越境ECを始める前に知っておくべき基本情報

3. 商品に関する規制

4. 知的財産権とブランド保護

5. デジタルマーケティングとプライバシー規制

6. 消費者保護法と返品ポリシー

7. 製品ラベル・表示に関する規制

8. 障がい者への対応

9. 法的リスクへの対策

10. まとめ

 

1. アメリカの越境ECにおける法律と規制の重要性

アメリカ市場に参入する際、法律と規制の理解が不可欠です。アメリカは州ごとに異なる法律があり、連邦法と州法の両方を順守する必要があります。これを無視すると、罰則を受けたり、ビジネスの信用を損なったりするリスクがあるため、十分な事前準備が求められます。


2. アメリカで越境ECを始める前に知っておくべき基本情報

2-1. アメリカの法律体系と州ごとの違い

アメリカでは、連邦政府の法律(連邦法)と各州の法律(州法)が並行して適用されます。これにより、同じアメリカ国内でも州によって異なる規制が存在します。たとえば、カリフォルニア州では消費者保護や環境保護に厳しい規制があり、ニューヨーク州ではプライバシーに関する法律が強化されています。事業者は販売を行う各州の法律を確認し、従う必要があります。

2-2. アメリカの消費者保護に関する基礎知識

アメリカでは、消費者の権利が非常に重視されており、消費者保護法が整備されています。特に、返品や返金に関するルールが厳しく、事業者は消費者に対して明確な返品ポリシーを提示することが求められます。また、商品が誤解を招くような形で販売されていた場合、訴訟リスクも伴います。これに対応するためには、消費者に対して透明性のあるビジネスを行うことが重要です。


3. 商品に関する規制

3-1. 禁止商品と制限商品

アメリカには販売が禁止されている商品や、特別な許可が必要な制限商品が存在します。たとえば、武器や薬品、アルコール、たばこ、動物製品などは厳しい規制を受けており、違反すると重い罰則が科せられることがあります。販売する商品がアメリカの規制に該当しないかを確認することが大切です。

3-2. FDA(食品医薬品局)の規制

アメリカで食品、医薬品、化粧品などを販売する場合、FDA(Food and Drug Administration)の規制に従う必要があります。これらの商品は厳格な品質基準とラベル表示規定が設けられており、輸入される前に製造工場(食品施設)をFDAに登録、輸出の際にはFDAに対し事前通知を行う必要があります。


FDAに関して詳しく知りたい場合は以下をご覧下さい。


記事 アメリカ向け食品輸出に必要なFDAへの食品施設登録へのリンク
記事 アメリカ向け食品輸出に必須 FDAへの事前通知へのリンク

3-3. CPSA(消費者製品安全法)

CPSA(Consumer Product Safety Act)は、アメリカ国内で販売される消費者製品の安全性を保証するために作られた法律です。特に、子供向けの商品や家庭用電化製品は厳しい規制の対象となります。製品の安全基準を満たすことで、訴訟や販売停止を防ぐことができます。

3-4. 電気製品: Underwriters Laboratories (UL) などの安全基準

アメリカで電気製品を販売する場合、Underwriters Laboratories(UL)の認証を取得することが推奨されます。ULは製品の安全性を保証するための基準を設けており、これに適合していることを示すことで、消費者の信頼を得ることができます。


4. 知的財産権とブランド保護

4-1. 著作権、商標、特許の基本

アメリカでのビジネス展開において、知的財産権の保護は重要です。著作権は作品やコンテンツの無断使用を防ぎ、商標はブランドやロゴの保護を行います。特許は新しい技術やアイデアを守るものであり、これらの知的財産権を登録することで、競争力を維持することが可能です。

4-2. 偽造品や著作権侵害

アメリカ市場だけの話ではありませんが、偽造品や著作権侵害の商品を販売することはできません。アメリカ輸入通関時に、ブランド品や、アニメグッズなどで偽造を疑われる商品は、アメリカ税関に検査される可能性があります。アメリカ税関は、偽造品や著作権侵害品を発見した場合、それらの製品を差し押さえる権限を持っており、場合によっては輸入者に対して罰則が科されます。


5. デジタルマーケティングとプライバシー規制

5-1. プライバシーデータの保護

カリフォルニア州において初めてプライバシーデータ保護法であるCCPA(California Consumer Privacy Act)が定められました。同法は、カリフォルニア州に住む消費者の個人データ保護に関する規制です。企業は、消費者に対して収集している個人データの種類やその利用目的を開示し、消費者のデータ削除やオプトアウトの権利を保証する必要があります。現在、他の州でも同様のプライバシーデータ保護法が制定されています。

5-2. CAN-SPAM法

CAN-SPAM法(Controlling the Assault of Non-Solicited Pornography And Marketing Act)は、アメリカ国内での商業用メールに関する規制を定めた法律です。特に、消費者の同意を得ていないメールの送信を防ぎ、スパムメールの抑制を目的としています。事業者は、消費者が希望しないメール配信をすぐに停止できる手段(オプトアウト)を提供することが義務付けられています。また、メールの送信者情報を明確にし、虚偽の件名や内容を含めないことも求められます。


6. 消費者保護法と返品ポリシー

6-1. FTC(連邦取引委員会)の役割

FTC(Federal Trade Commission)は、消費者保護と競争の促進を目的とするアメリカの連邦機関です。FTCは、消費者に対して不公正なビジネス慣行を防ぐための規制を行っています。越境EC事業者は、商品の誇大広告や偽のレビュー、消費者を誤解させるようなマーケティング手法を避ける必要があります。また、消費者からの苦情に迅速に対応し、適切なカスタマーサポートを提供することが求められます。

6-2. 製品保証と返品・返金ポリシーの法的要件

アメリカでは、製品の保証や返品・返金ポリシーに関しても厳しい規制があります。消費者に対して明確な返品・返金ポリシーを提示することが法律で義務付けられており、不当な返品拒否は違法とされます。また、製品に欠陥があった場合や、期待した品質と異なる場合には、返金や交換に応じることが求められます。越境EC事業者は、アメリカの消費者保護法に基づいた適切なポリシーを作成し、それをウェブサイトに明示することが重要です。


7. 製品ラベル・表示に関する規制

7-1. FPLAに関する規制

FPLA(Fair Packaging and Labeling Act)は、公正な包装および表示に関する法律で、アメリカ国内で販売される商品のラベルに必要な情報を規定しています。これには、製品の正確な内容量、成分、製造業者情報が含まれます。特に食品や化粧品、薬品などは詳細な成分表示が義務付けられているため、これに従わないと罰則を受ける可能性があります。

7-2. NLEAに関する規制

NLEA(Nutrition Labeling and Education Act)は、食品に関する栄養表示の規制で、アメリカ市場で販売される食品に適用されます。この法律では、食品パッケージにカロリー、脂肪、糖質、タンパク質などの栄養成分を明確に記載することが求められています。消費者が健康的な選択をするための情報を提供するために、適切な栄養表示を行うことが必要です。

8. 障がい者への対応

8-1. ADAに関する規制

ADA(Americans with Disabilities Act)は、アメリカ合衆国における障がい者差別を禁止する法律で、特にビジネスが提供する商品やサービスが障がい者に対して平等にアクセス可能であることを保証するためのものです。越境EC事業者も、アメリカ市場で販売を行う場合、ADAへの対応が求められます。特にウェブサイトやデジタルプラットフォームを通じて商品を販売する場合、オンライン環境でのアクセシビリティを確保する必要があります。

8-2. ウェブサイトのアクセシビリティ

ADAに基づいて、ウェブサイトが障がい者にとってアクセス可能であることが重要です。これには、視覚障がい者や聴覚障がい者、その他の身体的制約を持つユーザーがスムーズにサイトを利用できるようにする対応が含まれます。具体的には、次のようなポイントに注意する必要があります:

  • スクリーンリーダーの対応:視覚障がい者がスクリーンリーダーを使用してウェブサイトを利用できるよう、サイトのコードやテキスト情報が適切にマークアップされているか確認する必要があります。

  • 画像の代替テキスト:ウェブサイトに掲載する画像には、代替テキスト(altテキスト)を提供し、視覚障がい者でもコンテンツの内容がわかるようにすることが求められます。

  • キーボードのみでの操作:障がい者がマウスを使用せずにキーボードだけでサイトを操作できるようにする必要があります。フォームやボタン、メニューがキーボードでナビゲート可能であることが重要です。

  • 音声とビデオの字幕と説明:聴覚障がい者向けに、ビデオやオーディオコンテンツに字幕を提供することが推奨されます。さらに、音声コンテンツにはテキストでの説明を加えることも有用です。

8-3. ADA違反のリスク

ADAに準拠していないウェブサイトやサービスを提供した場合、訴訟リスクが伴います。近年、ウェブアクセシビリティに関する訴訟が増加しており、特にECサイトは対象となりやすい分野です。ADA違反によって、事業者は損害賠償を請求されることや、サイトの修正を強いられる可能性があります。

そのため、越境EC事業者は、事業の早い段階からウェブアクセシビリティを考慮し、専門家と協力して適切な対応を行うことが推奨されます。


9. 法的リスクへの対策

9-1. 弁護士や専門家の活用

アメリカの法律や規制は複雑で、州ごとの違いも大きいため、事業を行う際には、専門家の助言が不可欠です。特に、税制、知的財産、消費者保護、そして障がい者対応に関するアドバイスを提供できる弁護士やコンサルタントを雇うことで、法的リスクを最小限に抑えることができます。また、ビジネス契約や利用規約、プライバシーポリシーなど、法的に重要な文書の作成も専門家に依頼することが推奨されます。

9-2. 事業者保険の検討

法的リスクをカバーするために、事業者保険の加入も考慮すべきです。アメリカ市場での訴訟リスクは高いため、製品責任保険や、プライバシー侵害やデータ漏洩に備えるサイバー保険の加入も重要です。これにより、予期せぬ事故や訴訟に対して経済的に備えることができます。

9-3. 定期的な規制の見直し

法律や規制は頻繁に変わるため、定期的な見直しを行い、最新の規制に準拠しているかを確認することが大切です。特に、州ごとの規制変更や新しい連邦法の施行に注意を払い、事業活動に影響を与える可能性のある変更があれば、迅速に対応する必要があります。


10. まとめ

10-1. 成功するためのポイントのおさらい

アメリカ市場での越境EC事業の成功には、以下の点が重要です:

  • アメリカの連邦法および州ごとの規制を理解し、遵守すること。

  • 製品に関連する各種規制(FDA、CPSA、ULなど)を把握し、必要な基準に準拠すること。

  • 適切な税制や関税対応を行い、消費者に適切な価格で提供すること。

  • 知的財産権を保護し、ブランドを守るための対策を講じること。

  • デジタルマーケティングやプライバシー規制に従い、消費者データを適切に管理すること。

  • ADAに基づいたウェブサイトのアクセシビリティを確保し、障がい者にも配慮した対応を行うこと。


10-2. 越境EC事業の持続的な成長に向けて

越境EC事業は、正しい法的対応と市場ニーズに適応する柔軟性を持つことで、大きな成長が期待できます。アメリカ市場は競争が激しい一方で、多様な消費者層にリーチできる機会があります。法律や規制の遵守を怠らず、常に最新のビジネス環境に適応していくことが、持続的な成功につながる鍵となります。


なお、当社トレードポータルでは、アメリカ向け越境ECに必要な、物流、EC立上げ、現地法人設立のサポートをしております。

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