アメリカ向け食品輸出に必須 FDAへの食品施設登録 FDAへの食品施設の登録、食品安全計画、食品防御計画とは何か 今回はアメリカへ食品を輸出する際のFDAへの食品施設の登録について解説し、併せて食品安全計画及び、食品防御計画の概要についても解説します。 こちらを読んでいただく事で、食品施設の登録方法、登録施設においてなにをしなければいけないかが把握できます。 私たちは、現在約7年間にわたり、お客様の貿易、物流、ECをサポートして参りました。また、アメリカの食品輸入に必要なFSVP(外国供給業者検証プログラム)のQI(米国側で安全性を検証する担当者)となり、食品の貿易をサポートする事も可能です。 今回は、お客様の成功事例、失敗事例、日々の運用での経験を交え解説します。無料のご相談はこちらまで。 目次 1.食品施設登録とは何か 2.食品安全計画 3.食品防御計画 4.食品施設の査察 5.食品施設の登録方法 6.施設の登録に必要な情報 7.誰が登録できるか。 8.食品施設登録番号、PIN 9.対象外の施設 10.取引先が食品施設登録しているか調べるには。 1.食品施設登録とは何か アメリカに食品を輸出する場合、米国内での人または動物が消費する食品を製造・加工・梱包・保管する国内外の工場・施設をFDA(Food and Drug Administration日本の厚労省に似た組織)に登録及び2年毎の更新をする必要があります。 この登録番号が、食品の輸出時に必要なFDAへの事前登録に必要です。 登録された施設では、以下で説明する食品安全計画の策定、食品防御計画の作成を行う事が必要となってきます。 食品輸出時に実施しなければいけないFDAへの事前通知についてはこちらの記事をご覧下さい。 2.食品安全計画 登録された施設は、以下の食品安全計画を作成し、病原菌や危険な化学品、金属片等の混入など、食品に危害が与えられないようリスクを分析、予防の活動を行い、文書化していく必要があります。 食品安全チームの編成、PCQI(予防管理適格者)の決定 危害分析表の作成 (病原菌等の生物危害、アレルゲンなどの化学的危害、金属片などの物理的危害の分析) 予防管理表の作成 (上記危害を予防するための管理手順の作成) リコールプランの作成 (万一リコールが発生した場合の対応) 3.食品防御計画 更に登録施設(人向け食品施設)では、何者かが意図的に異物や病原菌などを混入するリスクを低減させる取り組みを行う必要があります。 そのためには以下の食品防御計画を作成し、リスクをミニマイズする活動を行い、その文書化をしなければなりません。 食品防御チームの編成、FDQI(食品防御適格者)の決定 基礎資料の準備 (施設の説明資料、作業工程、セキュリティをまとめたもの) 脆弱性評価表の作成 (何者かが意図的に不良行為を発生させられる工程を特定) リスク低減策の作成 (攻撃者が製品にアクセスできないようにする施策、遮蔽物を除く/カメラの設置など攻撃者が攻撃しずらくする施策) 4.食品施設の査察 FDAが施設の査察に訪れます。日本の施設にも年間100件以上の査察は行われ、上記活動の確認、各種リスクの低減措置がなされているかを確認し、是正すべき事項を指摘されます。 指摘事項への対応が不十分な場合、警告書が出される事もあるので注意が必要です。 5.食品施設の登録方法 FDAのサイト(こちら)から登録する事が可能です。サイトにF項の情報を登録します。 6.施設の登録に必要な情報 施設名、住所、電話番号、緊急連絡先電話番号、Eメールアドレス、UFI (Dans number) 親会社の名称、住所、電話番号、Eメールアドレス(親会社がある場合) 施設が使用している商号 施設で製造/加工、梱包、保管されるすべての食品の一般食品分類名、活動内容 米国代理人の氏名、住所、電話番号、Eメールアドレスおよび、その施設の緊急連絡先が米国代理人ではない場合には緊急連絡先の電話番号、Eメール。 *米国代理人は、米国内に居住しているか、米国内で継続的にビジネスを行っており、米国に滞在している必要があります。 所有者、作業者またはエージェントの氏名、住所および電話番号、Eメール 7.誰が登録できるか 食品施設の所有者、操業者、または代理人による登録が可能です。…
アメリカ向け越境ECに不可欠な輸出規制の理解と準備 アメリカに輸出をしたいのだけれど、何か規制があるのではないか? 食品を輸出する前に準備しておくことは? を知らないで輸出するとどういう事になってしまうの? 今回はそんな疑問にお答えします。 記事のテーマ アメリカ向けに輸出する場合の規制まとめ FDA・食品・衣料品・子供向商品・自動車部品など 目次 1.輸出規制は知らないと危険 2.輸出規制の概要 1)食品(肉以外)/FDA規制 2)肉類 3)子供向け商品 4)食器 5)無線機器(携帯電話/WIFI等) 6)衣料品 7)自動車(中古車) 8)木材製品、家具 9)ブランド品 3.全ての輸入品は規制をクリアしているの? 4.正しく規制を理解し輸出を 私たちは、現在約7年間にわたり、お客様の貿易、物流、ECでの販売をサポートして参りました。また、アメリカの食品輸入に必要なFSVP(外国供給業者検証プログラム)のQI(適格者)の要件も満たしています。 今回は、お客様の成功事例、失敗事例、日々の運用での経験を交え解説します。無料のご相談はこちらまで。 1.越境ECを始める前に輸出規制は知らないと危険 アメリカ向けに輸出をする際、輸出規制を守る事は無駄なコスト、日数、訴訟リスク等を避けるためにも大切です。 仮に輸出規制を遵守しなかった場合、以下のトラブルが発生する可能性があるので注意が必要です。 1)商品がアメリカに入国できない。 アメリカ国内に入れる事が出来ず、日本へ送り返さざるを得なくなる。 2)検査に費用とコストがかかる。 検査が必要となり、検査費用、輸送費用、保管費用等追加費用が発生。 しかも場合によっては長期間留め置きされるためかなりのコストとなる。 3)仮に輸入できたとしても、問題発生時に訴訟リスクがある。 輸出規制を守らずにアメリカに入れた商品を、アメリカ国内で販売し、仮に事故、トラブルが発生した場合、顧客等から訴訟を起こされ多額の賠償金を支払わざるを得ない可能性がある。 4)刑事責任を負う場合もある。 罰金、懲役刑を伴う刑事的な責任を負う可能性があるばかりか、企業イメージ、株価下落につながります。 2.アメリカ向け輸出規制の概要 貿易管理上アメリカに入国できないもの、一定の環境、安全基準等をクリアしなければ販売できないもの等、多種多様存な規制が存在します。また、米国当局に事前通知、検査、認証を得ないと輸入できないものもあります。 ただし、輸入できてしまっても全て販売できるというわけではありません。 万が一販売した場合、その責任は、製造業者、卸、小売り、輸入業者が責任を負うことになりますので要注意です。 …