越境ECでの販売が増えるにつれ、物流費用も増えてきた。
アメリカ向けに配送する最もコストが抑えられる方法はどうしたらいいだろう?
大きな商品、重い商品を日本から送るのはコストが掛かりすぎる。
という悩みを抱えている方向けの記事です。
こちらではアメリカ向け海外販売に焦点を当てお話します。
私たちは、現在約7年間にわたり、お客様がアメリカで商品を販売するにあたり必要な、貿易、物流、ECをサポートして参りました。お客様の成功事例、失敗事例、日々の運用での経験を交え解説しています。
1. アメリカ越境ECにおける2つの物流手法
アメリカ向け越境ECを行う上で、2つの物流手法があります。
1つ目は、日本で保管、日本からアメリカへ直接宅配する方法
2つ目は、アメリカで保管し、アメリカから輸送する方法です。
以下それぞれの特徴を解説します。
1)日本で保管する方法
この方法のメリットは、日本の在庫を使えるので、簡単に開始する事です。
ただし、デメリットが2つあります。
A.輸送費用が高くなってしまう
お客様を長く待たせるわけにはいかないので、一般的には航空便を利用して輸送するため、大きなコストが掛かります。
さらに、オーダーごとに梱包するので、クッション材が多くなり箱が大きくなります。航空便は箱の大きさによってコストが大幅に上がるので、これもコストの上昇要因になります。
B.輸送日数がかかる
航空便でも輸送日数が10日前後かかります。
従い、アメリカから発送する競合があれば、サービスで負けてしまいます。
従い、越境ECでは独自性のある商品や、価格競争力のある商品でないとなかなか太刀打ちできません。
2)アメリカで保管する方法
この方法は、アメリカの倉庫までまとめて輸送しておき、アメリカで保管、お客様からオーダーを受け次第、アメリカの倉庫から発送します。
この方法のメリットは以下です。
A.輸送費用を削減できる。
B.輸送日数も改善できる。
特に、食品、冬物のアパレル、生活雑貨、自動車パーツなど、容積や重量が大きい製品には大きな削減効果が期待できます。ただし、デメリットもあります。
A.アメリカに在庫を別に置く事になるので、在庫が増えてしまいがちです。
B.万が一売れなかった場合、日本に返送する必要があり、コストが掛かります。
2.アメリカに在庫を置くと、コストはどの位安くなる?
ではどれほど輸送コスト、配送日数が削減できるでしょうか。
商品の重量が2㎏と2.5㎏の場合を比較します。
まずは2㎏の商品です。
グラフを見ても分かる通り、2㎏の商品では、アメリカで保管した方が、28%安くなります。
2.5㎏の場合はどうでしょうか?
アメリカで保管した方が、コストは58%改善します。
2㎏以下までは、郵便の小型包装物という安価な輸送方法が使えますが、2.5㎏では使えません。従い、2.5㎏の場合では、削減額がより大きくなります。
また、これよりも重量、容積が大きくなるほどアメリカで保管した方が、効果はより大きくなります。
*商品の梱包方法により異なる結果になる場合もあります。
もちろん、商品の重量やサイズ、前提条件により結果は異なります。
もし、自社の商品でどのくらい安くなるか興味がある場合は、こちらからお問い合わせ下さい。
更に輸送日数は、アメリカで保管した方が、90%短くなります。
日本から送るより、アメリカから発送した方が距離が短いので当然ですよね。
3. アメリカに在庫を置くには
それでは、アメリカに在庫を置くためにはどのようにすれば良いでしょうか。
以下2つの方法をご紹介します。
1) 物流の運営方法
アメリカに在庫を置くには、倉庫を確保し、倉庫作業を行う必要があります。
これには「自社運営」と「アウトソーシング」の方法があります。
自社運営の場合、自分が望む運営方法、サービスにしやすい反面、ノウハウがないと時間やコストが多くかかります。また、一定の投資や人員雇用など必要で、固定費が掛かってしまいます。
一方、アウトソーシングする場合は、他の企業に委託費用を支払わなければなりませんが、経験のある者に任せる事ができ、コストを流動費化できます。
(従量課金でサービスを提供する会社の場合)
従い、経験の浅いうちは、アウトソーシングを行い、リスクを抑える事もメリットは大きいと言えます。
アメリカでの倉庫の設置には以下も参考になります。
2) アウトソーシング先を探すには
アメリカに拠点を置く物流会社はたくさんあります。日本で付き合いのある物流会社に相談してみるのも一つの案です。その他グーグルでもたくさん探すことができます。
外注先を選定するポイントは、当然、信頼がおけるか、コストとともに、下記のポイントを確認する必要があります。
-Eコマースの物流に慣れているか。
物流会社によっても、国際輸送が得意(倉庫業務は苦手)、B to Bが得意(B to Cは苦手)など、得意不得意があります。
-稼働当初の小さな物量であっても対応できるか。
物流会社によっては一定の規模がないと請け負ってもらえないケースもあります。また、ミニマム費用が決まっていたりするケースもあります。
-費用が流動費化するか。
固定費となるミニマム費用、定額の作業費などが設定されていて、流動費化できないケースもあります。事業初期には、固定費は大きな負担になる場合も多いので、流動費化できる費用体系の方が有利です。
4.まとめ アメリカに在庫拠点を置く事は難しくない。
以上、アメリカ向け越境ECにおける物流手法について解説しました。
アメリカに在庫を置く場合、場合によっては輸送日数を9割、輸送費を3割削減することも可能です。
これは大企業だからできるんじゃないの?という疑問もよく聞きますが、中小の企業、個人でも、稼働当初の少ない量からでも可能です。
こちらを参考に貴社の越境ECのコスト削減に役立てれば幸いです。
また、アメリカでのEC事業立ち上げにはこちらの記事も参考になります。
なお、当社トレードポータルでは、アメリカ向け越境ECに必要な、物流、EC立上げ、現地法人設立のサポートをしております。
保管1ケースから、初期費用なし、従量課金で始められるので、リスクを抑えたアメリカ事業展開が可能です。
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